熱溶断シールとは
高温の刃(熱刃)でフィルムを溶かしシール(接着)すること、切断と溶着を同時に行い冷めることによって固まる工程。
それぞれの熱加工性
熱溶断シールには、フィルムの熱加工性(低温度で強く溶着させる力)が大事な要素になり、熱加工性だけを見るとポリエチレンが低い温度で熱溶着ができ
フィルム形状の変形も容易です。
塩化ビニルは熱加工性が良い特徴があるのですが、薄く製造することができないため結果として熱伝導効果が低くなり、溶断シールではなく高周波を利用した
ウエルダー加工(電子レンジのように素材の分子を激しく振動させ内部からの発熱を利用して熱溶着させる)が一般的です。ビニール袋の名の
由来の塩化ビニルですが、今はビニール袋と呼ばれているほとんどがポリエチレン、ポリプロピレン製です。
ついで熱加工性がよいフィルムはポリプロピレンとなり、OPP(二軸延伸)、CPP(無延伸)があり、延伸というフィルムを成型する際に加熱しながら
一定方向に引きそろえる加工で、強度が増し透明性が高くなる性質があります。
ただ、延伸したフィルムは熱加工性が悪く熱溶断シールする際には高温である必要があります。
OPPは透明度が高くコシがありますが熱加工性は悪く、CPPはOPPに比べ透明度が低くコシのないフィルムになりますが、
熱加工性が高いため熱溶断シールしやすくなります。
PETやナイロンは融点が高いため熱溶断シールすることが困難なほどです。
OPPとCPPの熱溶断シール
これらのことからOPPはフィルムの伸びが少なく熱溶断シール部分の負荷に対して弱い傾向があります。
原紙の厚みは薄いほうが強度が増します。
CPPはOPPに比べ熱溶断シール部分の強度があり、柔らかい生地と熱加工性を生かしOPPではあまり強度がでない
ガゼット加工なのどに有利です。